「最近、肌の乾燥が気になる」
「肌のハリがなくなってきたかも…」
そんな肌悩みの原因は、セラミド不足が関係しているもしれません。
セラミド不足の肌には、セラミド配合の化粧水や美容液などでスキンケアするのが効果的ですが、お肌の内側からケアすることも重要です。
この記事では、セラミドの特徴や肌のセラミドを増やすのに役立つ食べ物、飲み物について詳しく解説します。
お肌の必須成分「セラミド」について
セラミドは潤い肌をキープするために重要な成分のひとつです。
セラミドとは具体的にどのような成分なのか、役割や構造などをチェックしてみましょう。
期待できる効果や役割
皮膚の表面にある角質層は、何層も角質細胞が重なっています。
細胞と細胞の間には細胞同士をつなぎ、水分を蒸発させないようにする役割を持つ「細胞間脂質」があります。
この細胞間脂質の主な成分が「セラミド」です。
セラミドには、主に2つの機能があります。
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セラミドは加齢やターンオーバーの乱れなどで不足していきます。
セラミド不足はシワやハリ不足、乾燥肌、敏感肌などの原因となるので、肌の変化を感じたらセラミド対策をするようにしましょう。
細胞間脂質とセラミドの構造
細胞間脂質は、水分と脂質(セラミド)の層が何層にも重なりあう「ラメラ構造」を形成しています。
ラメラ構造の中の水分は、極度の乾燥で蒸発せず-40℃でも凍らない「結合水」と呼ばれ、セラミドが不足すると結合水を抱え込むことができなくなるため、肌の乾燥やバリア機能の低下などが起こります。
セラミドはスフィンゴシンと脂肪酸の2つの物質がアミド結合した化合物のことで、ヒトの皮膚や動物、植物、両生類、微生物などに広く存在しています。
スフィンゴシンと脂肪酸には種類があり、それぞれの組み合わせによってセラミドの種類も変わります。
細かく分類するとセラミドは300種類以上あり、まだ発見されていないものもあるといわれています。
セラミドの種類は主に4つ
セラミドは主に4つの種類に分けられます。代表的なセラミドの種類は以下の通りです。
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それぞれの特徴をチェックしてみましょう。
ヒト型セラミド
ヒト型セラミドは主に酵母を使って生成された美容成分で、ヒトの皮膚にあるセラミドとほぼ同じ構造の作りをしています。
肌への保湿力や浸透力に優れていて安全性が高いのが特徴です。最近では、スキンケアアイテムだけでなく、サプリや栄養ドリンクからヒト型セラミドが摂取できる商品も数多く発売されています。
【ヒト型セラミドの主な種類と期待できる効果】
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植物性セラミド
植物性セラミドは、米、トウモロコシ、大豆、こんにゃく、小麦、ゆず、パイナップルなど植物から抽出したセラミドのことです。
食品由来成分なので肌に優しく安全性が高いのが特徴です。
しかし、親和性が低いデメリットがあり、食物アレルギーのある方は原料となる成分に注意が必要です。
動物性セラミド
動物性セラミドは動物の脳や脊髄から抽出されたセラミドのことです。
牛由来のものが主流でしたが、狂牛病問題の影響によって馬由来のものが多く使われるようになりました。
4種類のセラミドの中でもっとも高価ですが、人間の持つセラミドと構成が似ていて浸透力や保湿力に優れています。
近年では動物愛護の観点から、動物由来のセラミドを避ける人も増えています。
擬似セラミド
擬似セラミドは石油を原料に、ヒト型セラミドに似せて化学的に合成した成分です。
加工しやすいため、安価で高配合の商品を手に入れやすいメリットがあります。
擬似セラミドは角質層まで浸透しないので、ヒト型セラミドのように肌にあるセラミドを補う効果は期待できません。
肌の表面にとどまって保湿するのが主な役割です。
擬似セラミドは成分表示名に「セラミド」と表記されず、「ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド」などの成分名で表記されています。
セラミドに関係性のある食べ物(食材)
セラミドを補うために、セラミドを多く含む食べ物やセラミドの生成をサポートする食べ物を積極的に摂取しましょう。
セラミドを含むおすすめの食べ物をご紹介します。
セラミドを多く含む食べ物(こんにゃく・米・小麦など)
セラミドを多く含む食べ物を摂取すると、腸内でスフィンゴシンや糖、脂肪酸などに分解されます。これらの栄養はセラミドの元となるため、セラミドの生成に役立つと考えられています。
栄養バランスを意識して、1日の食事にセラミドを多く含む食材を取り入れてみましょう。
【セラミドを多く含む代表的な食材】
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セラミドは黒い食べ物に多く含まれており、特に生こんにゃく芋にはセラミドが豊富に含まれています。
セラミドの1日あたりの摂取量は定められていませんが、1日に0.6mg摂取するとバリア機能改善の効果が期待できるとされています。
生こんにゃく芋から作られたこんにゃくなら、約半丁食べることで摂取できる量です。
食事から摂取しにくい場合は、セラミドサプリメントを活用してみましょう。
セラミドの生成をサポートする栄養と食べ物
セラミドが多く含まれる食材だけでなく、セラミドの生成をサポートする食べ物も摂取していきましょう。
セラミド不足は、ターンオーバーの乱れから引き起こされる場合があります。
肌の乾燥や肌トラブルを予防改善するには、ターンオーバーを正常に保つのに役立つ栄養素を摂取することが大切です。
また、細胞間脂質の他に、角質層にある皮脂膜やNMF(天然保湿因子)にも肌の水分を保つ役割があります。
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これらの働きをサポートする栄養も、1日の食事のなかでバランスよく摂取しましょう。
おすすめの栄養素と食材は以下の通りです。
栄養素 | 主な働き | 代表的な食材 |
たんぱく質 | 新しい細胞の原料となる | 肉・魚・大豆など |
ビタミンA | 皮膚や粘膜のうるおいを維持する、NMFの生成促進 | うなぎ緑黄色野菜・卵・レバーなど |
ビタミンB | 肌の再生を促す | 豚肉、レバー、大豆、納豆など |
ビタミンE | 肌の血行促進、抗酸化作用 | アーモンド、アボカド、ゴマなど |
ビタミンC | 抗酸化作用、コラーゲンの生成促進 | パプリカ、レモン、キウイなど |
亜鉛 | 皮膚や粘膜の健康維持をサポートする | 牡蠣・うなぎ・赤身肉など |
オメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸・EPA・DHAなど) | 細胞膜の生成 | えごま油、亜麻仁油、青魚など |
オメガ6系脂肪酸(リノール酸・アラキドン酸など) | 細胞膜の生成 | コーン油、大豆油、グレープシードオイルなど |
セラミドが多く含まれている飲み物
セラミドが多く含まれている飲み物には、以下のようなものがあります。
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牛乳由来のセラミドはミルクセラミドと呼ばれ、植物由来のセラミドよりも吸収性が高いといわれています。
しかし、牛乳から直接摂取するには大量に飲まなければならないため、ミルクセラミドを高配合したヨーグルトやサプリメントの方が摂取しやすいでしょう。
甘酒の原料となる米と米麹には、セラミドのもととなるグルコシルセラミドが含まれています。また、米麹にはコラーゲンやヒアルロン酸の合成促進、角質層の水分量を増加させる効果が期待できることから、甘酒は美容に良いと注目を集めています。
飲み物でセラミドを効率よく摂取したい方は、機能性表示食品のセラミド配合ドリンクを活用するのもおすすめです。
体の内側からセラミドを摂取して乾燥肌を改善しよう!
肌の潤いを保つ上でセラミドは重要な成分です。
しかし、加齢やストレスなどでセラミドはどうしても減少してしまいます。
スキンケアでセラミドを取り入れることも重要ですが、食事や飲み物からも積極的にセラミドを摂取するようにしてくださいね。
今回ご紹介した情報を参考に、潤い溢れる艶めきBODYを手に入れましょう!