頬や顎、口周りなどにできる「たるみ」。
スキンケアやマッサージで美容ケアはしているけれど、なかなかたるみが改善しないと悩まれている女性もいるのではないでしょうか。
たるみは加齢や生活習慣などさまざまな要因でできるのですが、筋肉の衰えも原因のひとつです。
そこで、この記事では、顔のたるみの原因や改善に効果が期待できる顔筋トレについて詳しく解説します。
顔のたるみの原因
顔のたるみには、さまざまな原因が考えられます。
ここでは代表的なたるみの原因について解説します。
筋肉の衰え
私たちが笑ったり怒ったりするとき、顔の筋肉を収縮させて表情を作り出しています。この時使う筋肉が『表情筋』です。
表情筋とは、目・鼻・口・眉など顔のさまざまな箇所を動かす筋肉で、この筋肉が衰えてしまうとたるみの原因となります。
表情筋が衰える原因のひとつは加齢によるもの。
表情筋は、年齢とともに筋線維の数が減ったり委縮してしまったりして、筋肉量が減ってしまいます。筋肉量が減れば、皮膚を支える力が弱くなるので、顔がたるみにつながるのです。
また、日本人の場合、日頃使っている表情筋は全体の20%〜30%ほどで、残りの7割は日常的に動かしていないと言われています。
そのため、加齢による筋力低下だけでなく、表情を作る機会が少ないことも筋力が衰えてたるみにつながることがあるのです。
肌の老化による乾燥
私たちの肌は表皮・真皮・皮下組織の層で構成されており、真皮には肌のハリや弾力を保つのに欠かせない「コラーゲン」「エラスチン」「ヒアルロン酸」という成分があります。
これらの成分が加齢や乾燥によって減少すると、肌のハリや弾力の低下を招くことに。その結果、肌の表面にある表皮を支えきれなくなり、たるみやシワ、法令線、毛穴目立ちなどの原因となります。
- コラーゲン:真皮層の約70%を占めている繊維状のタンパク質です。網目状に張り巡らされるように存在し、肌のハリを保っています。
- エラスチン:繊維状のタンパク質で、コラーゲン同士を結びつけて肌の弾力を保っています。
- ヒアルロン酸:保水力を持つゼリー状の成分で、真皮の隙間を埋めて安定させる働きがあります。1gで6リットルもの水分を抱え込むことができるといわれています。
姿勢や顔のゆがみ
顔のたるみには、姿勢の悪さが関係している場合もあります。
スマホを使うときに下を向いて猫背になっている、座っているときに背中を丸めて顎を突き出しているなど、姿勢が悪いと使う表情筋のバランスが悪くなります。そうすると、たるみや二重顎、むくみの原因となるのです。
また、食事のときに左右どちらかだけで噛んでいたり頬杖をつく癖があったりすると、顔のゆがみからたるみにつながります。
顔のたるみ改善には表情筋を鍛えることが大切!
前章でご説明したように、たるみの原因のひとつが表情筋の衰えです。
加齢による筋肉の衰えだけでなく、日常生活で会話をあまりせず笑顔になる機会も少ない、スマホやパソコンをよく使うなど、無表情でいる時間が長いことも表情筋が衰える原因になりえます。
顔のたるみにつながりやすい表情筋には、以下のようなものがあります。
- 前頭筋(ぜんとうきん):おでこにある筋肉で、眉を上げる働きがあります。前頭筋が衰えると顔全体にたるみが起こる原因になります。
- 眼輪筋(がんりんきん):目の周りを囲んでいる筋肉で、目を開閉する働きがあります。眼輪筋が衰えると上まぶたのたるみにつながります。
- 口輪筋(こうりんきん):口周りを囲んでいる筋肉で、口を開閉する働きがあります。口輪筋が衰えると口元のたるみやシワの原因になります。
- 大頬骨筋(だいきょうこつきん):口角からこめかみにつながる頬にある筋肉で、口角を引き上げる働きがあります。大頬骨筋が衰えると、頬のたるみやほうれい線の原因になります。
たるみが気になる人は表情筋を動かすことができるエクササイズを積極的に取り入れることをおすすめします。特に上記でご紹介した4つの筋肉はたるみができやすい部分を支えている筋肉となりますので、こまめに動かし鍛えていくことが大切です。
顔のたるみ改善に効果大!エクササイズ5選!
顔のたるみ改善に効果が期待できる表情筋エクササイズを5つ紹介します。鏡を見て、筋肉の動きや姿勢をチェックしながら行ってみてくださいね。
頬のたるみに効く! 「チークアップエクササイズ」
頬の外側・真ん中・内側にある筋肉を鍛えるエクササイズです。頬の筋肉で指を持ち上げるように意識して行いましょう。
step1.【頬の外側を鍛えるエクササイズ】
- 人差し指の指先を目尻の下に置きます。
- 「あー」と声を出しながら、指を持ち上げるように口角を斜めに引き上げて、元に戻します。上の歯が8本見えるくらい口を開けるのがポイントです。(1〜2秒キープ×20回)
step2.【頬の真ん中を鍛えるエクササイズ】
- 人差し指を横に移動させ、指先を目頭の下に置きます。
- 「いー」と声を出しながら指を持ち上げるように頬と上唇を上に引き上げて、元に戻します。(1〜2秒キープ×20回)
step3.【頬の内側を鍛えるエクササイズ】
- 人差し指の指先を小鼻の脇に置きます。
- 「うー」と声を出しながら上唇を鼻に寄せるように口を前に突き出し、頬の内側の筋肉を引き上げて、元に戻します。(1〜2秒キープ×20回)
口元美人になれる!「顔筋エクササイズ」
顔筋につながる首や鎖骨周りの筋肉を鍛えて、胸を開くエクササイズ方法です。口元のたるみ改善に効果的です。
- 背もたれに背中が当たらないように椅子に座り、背筋を伸ばします。
- 腕を90度に曲げて、体の横に肘をつけます。
- 下腹に力を入れながら、まっすぐ肘を後ろに引きます。(3秒キープ)
- 肘の位置をキープしたまま肘から下を外側に広げて、肩甲骨を近づけるように胸を開きます。(3秒キープ)
- (2)の体勢に戻り、同じ動きを3セット行いましょう。
- 最後に、鎖骨のくぼみに人差し指と中指を当てて、筋肉をさするようにしてゆっくりほぐします。(左右20〜30秒ずつ)
フェイスラインが引き上がる !「舌出し体操」
フェイスラインの引き締めに効果的なエクササイズです。肩に力が入らないように注意して、首と顎の筋肉を意識しながら行いましょう。
- 背筋を伸ばし、胸の前で両手を合わせます。
- 3秒かけて舌を前に突き出してから上に引き上げて、3秒かけて元に戻します。(20回繰り返し)
口元・顎・まぶたのたるみ改善に!「顔ヨガ」
口元や顎、まぶたのたるみケアにおすすめのエクササイズです。
【口元・顎のたるみに効く顔ヨガ】
- 上の歯を8本見せるくらい口角を上げて、頬を引き上げます。
- そのままの状態で、上の歯を舐めるように舌を左右に動かします。顎が前に突き出たり一緒に動いてしまったりするときは、指で顎を抑えて行いましょう。
【まぶたのたるみに効く顔ヨガ】
- 眼球を前に出すようなイメージで、目を大きく見開きます。額が上がってしまう場合は、軽く手で額を抑えながら行いましょう。
- 3秒キープしたら、元の状態に戻します。
血流UPで若々しく!「ぐーぱートレーニング」
血流をアップさせ、顔のむくみや筋肉のコリの改善を促すトレーニングです。エクササイズ前の準備運動にもおすすめです。
- 鼻から息を吸い、息を吐き出しながら顔のパーツを中心に集めるイメージでぐーっと目元や口元の筋肉に力を入れます。
- そのまま一度鼻から息を吸い、息を吐きながらぱーっと口元と目元を大きく開きます。
- 顔や体の力を抜いてリラックスします。
- 同じ動作を3回繰り返します。
【番外編】日頃から気をつけたい生活習慣3選
食事や睡眠など、普段の生活が顔のたるみの原因を作ってしまうことも。
ここからは日常生活の中で気をつけたい生活習慣を3つ紹介します。どれも無理せず始められることばかりですので、ぜひチャレンジしてみてください。
SPF30PA++以上の日焼け止めを使用する
紫外線には、「UV-A」「UV-B」「UV-C」の3種類があります。その中でも、私たちの肌にダメージを与えるのはUV-AとUV-Bです。
UV-Aは真皮まで届いてコラーゲンやエラスチンを変性させるため、たるみやシワの原因になります。
UV-Bは炎症を起こし、シミやソバカス、角質の保湿力低下の原因になります。
たるみやさまざまな肌トラブルを防ぐには、UV-AとUV-Bの両方をある程度予防できるSPF30PA++以上の日焼け止めクリームをはじめ、帽子や日傘などのUVケアグッズで紫外線対策を徹底するのがおすすめです。
雨の日や家の中など紫外線対策を怠ってしまう場所でも紫外線は容赦無く降り注いでいるので、日頃からしっかりとUVケアをしましょう。
1日に8時間以上の睡眠をとる
睡眠中は、肌のターンオーバーや皮膚細胞の分裂、再生を促す成長ホルモンの分泌が多くなります。
質の悪い睡眠をとっていると、成長ホルモンの分泌が少なくなってターンオーバーの乱れを引き起こします。さらに、コラーゲンなど美容成分の減少や顔の筋肉の衰えの原因となるため、たるみが起きやすくなってしまうのです。
できれば1日に8時間以上の睡眠を取れるように生活を見直すことが大切です。
ちなみに成長ホルモンが多く分泌されるのは、寝入り〜3時間といわれています。この時間にぐっすり眠ることが、たるみ改善のポイントになります。
質のいい睡眠をとるために、以下の点を習慣にしてみましょう。
- 寝る3時間前までに夜ごはんを食べる
- 寝る1〜2時間前に入浴する
- 寝る前にスマホやテレビなどを見ないようにする
- 毎日同じ時間に起きる
- 朝起きたときに太陽を浴びる
- 朝ごはんを食べる
上質な睡眠はたるみ以外にも、体や脳の疲れの回復にもつながるので、健やかな心身の維持にも効果的ですよ。
糖化を促進する食品を控える
肌のたるみの原因には、「糖化」という現象が関わっている場合があります。糖化は体内の糖とタンパク質が結びつき、AGE(※)という悪玉物質を作り出す現象のこと。
AGEは肌のコラーゲンを劣化させるため、肌の弾力が低下し、たるみの原因になります。
他にも、生活習慣病や骨粗しょう症などの病気を引き起こしたり抜け毛が多くなったりする場合もあるので注意しましょう。
※AGE=終末糖化産物(Advanced Glycation End Products)
糖化を防ぐには、以下のような食べ物を食べすぎないことが大切です。
・糖質の多い食品(お菓子や果物、白米、パン、イモ類など):体内の糖化を進ませてAGEを増やします。
・糖とタンパク質を高温加熱した食品(焼き菓子や加熱調理した肉加工品など):AGEが多く含まれています。 |
気になるたるみは顔の運動で解消しよう!
顔にたるみがあると、年齢よりも老け顏の印象を与えてしまいます。
若々しい美肌をキープしたい!という方は、今回解説したたるみの原因を参考に、たるみの改善ポイントを実践してみましょう。
さらに、表情筋トレーニングも取り入れて筋肉の衰えを防ぎ、たるみの改善につなげましょう。
ぜひ毎日の習慣にして、肌のリフトアップを目指してみてくださいね。